ヒラメは千島列島以南の各地から南シナ海の沿岸に分布し、ふつう水深100mから200mの砂泥底に生息するが、春先の産卵期には内湾や岸辺近くの水深20m~40mの浅場にあつまる。
全長80cm。口が大きく肉食性で、底生魚やイカ・貝類・環形動物・多毛類などを捕食する。島根県では釣り、はえ縄、刺し網、定置網など多くの漁法で漁獲されますが、最も多いのは底引き網で全体の70~80%を占めます。
島根県沿岸のヒラメの産卵期は3~5月ですが、当センターでは加温等により1~2月に早期採卵を行っています。
孵化直後の仔魚は全長2.4~2.9mm、眼は体の両側にあり、水中を浮遊しています。その後全長5mm程度から背鰭前部の鰭条がとさか状に伸び、全長8mm前後で体高が増し、右眼は上方向へ移動します。
その後右眼は左体側に移動し親と同じ形態になります。この過程を変態といいます。変態が完了するころには浮遊生活から着底生活へ移行します。
餌は日齢20日程度まではワムシを、日齢20日以降40日程度までアルテミアを与えます。変態が完了するころには配合飼料を食べるようになります。
全長が30~40mmになると県内各地にある中間育成施設に出荷し、10cmになるまで育ったら海へ放流します。